人間の情報収集の約80%は視覚に依存していることが知られており、ゲームのプレイにおいてもゲーミングモニターの重要性は計り知れません。今回は240Hzの高いリフレッシュレートで、有機ELパネルで非常に鮮明な色を映し出し、0.03ms(GTG)の低遅延の応答速度を実現した新世代のゲーミングモニター「Pixio PX277 OLEDMAX」を紹介します。
- 有機ELで鮮明な色彩で圧倒的に綺麗な映り
- 240Hzと応答速度0.03ms(GTG)で非常に滑らかな映像
- グラフィックデザインやゲームなど、全てにおいて最高峰の作業環境
- WQHDの高解像度で、より詳細でリアルに見える
- 豊富な機能でこのモニター1つで全てをカバー
目次
「Pixio」とは?
2016年にアメリカでゲーマーらによって設立された、モニターブランド Pixio。どのゲーミングモニターも抜かりない高品質で、ユーザーが求める映像や機能をしっかりと抑えながらも、誰もが手に取りやすいお手軽な価格で販売しています。破格の人気製品がわずか1分で完売するなど、その企業努力が認められ、世界中のユーザーから「コスパ最強メーカー」として愛されています。現在では、プロシーンで活躍する多くの選手がPixioの製品を使用しており、確かな品質とお手頃な価格で世界中から注目をされています。
「Pixio PX277 OLEDMAX」の特徴
画面サイズ | 27 inch | 解像度 | 2560x1440p |
リフレッシュレート | 240Hz | 応答速度 | 0.03ms(GTG) |
パネル | 有機EL (OLED) | 色域 | 137.3% sRGB |
映像出力端子 | HDMI(2.0)×2、DP(1.4)×1、Type-C (USB 3.1) | VESA | 100×100mm |
リフレッシュレート|240Hz
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、240Hzのリフレッシュレートに対応しています。
リフレッシュレートが高ければ高いほど、滑らかな映像を出力することができ、残像も大幅に減少します。
リフレッシュレートをより分かりやすく、パラパラ漫画に例えると、コマ数が少ないとシーンが飛び、映像がカクカクしますが、コマ数が多いと滑らかで、細かな動きもクリアに見えます。
これはゲームでも同様で、リフレッシュレートが高いほど視認性が向上し、より早く敵などの対象物を視認できます。敵の小さな動きをいち早く視認することで、大きなアドバンテージを取る事ができます。
PC以外にもSONY PlayStation 5では120Hz、Nintendo Switchでは60Hzまで対応しています。
有機EL (OLED) | 鮮明な画質
「Pixio PX277 OLEDMAX」の最大の特徴は、有機EL(OLED)を採用していることです。
有機EL技術は、ライトを完全に消灯させることで、より深い黒とより幅広い色彩を鮮やかに表現します。また、広い視野角により、どんな角度から見ても色のズレがなく、常に最適な色を提供します。
137.3%のsRGBカバー率により、色彩を重視するプロのグラフィックデザイナーが利用できる程、最適な映像環境を整えられます。
応答速度0.03ms (GTG)|より素早いレスポンス
「Pixio PX277 OLEDMAX」は有機ELにより、0.03ms(GTG)の超応答速度を実現させました。
圧倒的に速い応答速度と240Hzの高リフレッシュレートの組み合わせは、映像の残像処理に非常に優れており、素早い動きでもくっきりとシャープな映像を届けてくれます。
これほど優れた残像処理であれば、0.1秒を争う競技性の高いゲームシーンでの使用も全く問題がない、最高峰クラスの性能を持っています。
Wide Quad HD | 高解像度
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、2560x1440pの高解像度Wide Quad HD(WQHD)になっています。
解像度が高いことで、毛の1本の詳細な部分まで鮮明に、よりリアルに映し出してくれます。
FreeSync|ズレない、正確な映像
「Pixio PX277 OLEDMAX」ではAMDのグラフィックボード、RadeonシリーズのFreeSync Premiumと、GeForceシリーズのG-Syncに対応しています。
これによりリフレッシュレートの範囲を、フレームレートが下回った時に発生するテアリングやスタッタリング(映像のズレ)に対し、同じフレームを複数回表示させて最小限に抑え込む事ができます。
映像の一部に遅れや数ミリのズレもなく、非常に正確な映像を映し、ゲームなどでは対象物の正しい輪郭を認識できます。
Black Stabilization|暗い部分を見えやすく
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、暗所の視認性を向上する、Black Stabilizationを搭載しています。
Black Stabilizationは、明暗差の調整を行い暗所の視認性を大幅に向上してくれます。暗所を明るくする分、全体的に黒の表示幅が上がり白くなりますが、判別は一段としやすくなり、瞬時に反応できます。
ゲームをプレイするにあたり、見えないというのは一切の情報を得る事ができず、大きな致命傷とも言えます。一部ゲームでは、よりゲームの世界観に没入できるように暗所があり、中には背景と敵が同一化して判別が難しく、プレイに支障をきたすこともあります。
フリッカーフリーとブルーライトカット機能|目の負担を軽減
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、光の強弱によって生み出される波を最小限に抑え込み、眼への負担を大幅に軽減してくれる、フリッカーフリー技術を採用しています。
1秒間に数百回程度発生する光の強弱は、人間が意識的に感じ取ることはできませんが、眼では無意識にその変化を感じ取っており、光の切り替えと調整で眼には負担が掛かっています。そんな目への負担をフリッカーフリーで軽減できます。
また、ブルーライトカット機能も搭載された非光沢ディスプレイにより、大切な眼へにも考慮されたゲーミングモニターになっています。
KVMスイッチ機能 | ひとまとめに
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、最上位ならではのKVM(Keyboard、Video、Mouse)スイッチ機能に対応しています。
KVMスイッチ機能とは、1つのキーボード、マウス、ディスプレイを使用して、複数のPCを制御できる機能のことです。ストレージ用のUSBフラッシュドライブなどの記憶媒体やUSBデバイスも制御でき、省スペースでより効率よく作業を行えます。
例えば、WindowsとMacの両方を扱うユーザーや、自宅用PCと会社のパソコンを切り替えて使用する場面、複数のサーバー操作など、よりPCと近い距離で作業を行う場面で、それぞれに接続する複数のマウスやキーボードが必要なく、1つのキーボードとマウスで行えます。
2年間保証|充実した保証
Pixioのモニターはどれも高品質で心配ありませんが、初めてのPixioのモニターを購入するにあたり、製品の品質や故障に不安を感じる方もいるかもしれません。
「Pixio PX277 OLEDMAX」には、2年間の充実した保証が付いています。Pixio公式ストアの購入では、更に1年間追加された3年間の保証になります。
この保証の驚くべきところは、保証規定に基づいたドット抜けにも対応しており、購入前から製品の無事を祈る必要はありません。
「Pixio PX277 OLEDMAX」の外見とデザイン
梱包
Pixioのイメージカラーである大きな真っ赤な化粧箱に入っています。
同封物
- ディスプレイ
- スタンドアーム
- スタンドベース
- Display Port ケーブル
- USB-B to USB-Aケーブル
- 電源アダプター
- ネジ(M4×16mm)
- 簡易的な取り扱い説明書
外見とデザイン
正面
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、黒を基調としたシンプルなデザインで、非常に狭いベゼルを持つベゼルレスモニターです。左右の一番端の枠からモニターの表示領域までは、約8mm前後と、モニターを並べて使用するのにも十分な薄さです。
右下には、モニターのステータス状態を表すライトが搭載されています。
背面
「Pixio PX277 OLEDMAX」の背面は、スタイリッシュでありながら、ゲーミングモニターらしいデザインにRGBライトが搭載されています。
また、左側下にはOSDメニューや電源操作を行うボタンが設置されています。
スタンド | 幅広い高さ調整と回転対応
「Pixio PX277 OLEDMAX」には、幅広い調整が可能な多機能スタンドが採用されています。
高さ調整はデスクから約4.5~16.5cmまで、チルト機能は5°~15°、ピボット機能による画面の縦向き回転は±90°、スイーベル機能による左右の回転は±30°の範囲で調整ができます。
スタンドベースは金属製、スタンドアームはプラスチック製で、モニターを支えるに十分な重みがあります。また、品質も高く、こまめなザラツキがある指触りは高級感を感じさせます。
スタンドでも必要十分に感じますが、より幅広い範囲での位置調整を頻繁に行う場合や、モニター下にスペースを作りたい場合などは、モニターアームの使用もオススメします。
入力端子
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、豊富な入力端子が搭載されています。
右側からイヤホンジャック、HDMI 2.0×2、DP 1.4、USB Type-C(USB 3.1)、USB-B(UP)、USB-A(DOWN)×2があります。USB Type-C(USB 3.1)は、240Hzの映像出力に対応しており、65Wの電力の供給(充電)が可能です。
豊富な入力端子により、多様なデバイス接続ニーズに対応し、ほとんどの使用場面をこの一台でカバーできます。
スピーカー
「Pixio PX277 OLEDMAX」の背面内部には、スピーカーが搭載されています。音質は一般的なゲーミングモニターに搭載されているスピーカーと比べると、繊細な音を出してくれます。しかし、スピーカーの設置位置の関係で、音が正面ではなく後ろや上下方向に伝わり、低音が薄まり迫力が少し欠けると感じます。
ゲームでは世界観を感じることもでき、動画や映画の視聴も不満はありません。もし音に強い拘りがある場合は、外付けスピーカーを使用することをオススメします。
「Pixio PX277 OLEDMAX」のOSDメニュー
メニュー操作
「Pixio PX277 OLEDMAX」のOSDメニューは、背面にあるジョグボタンで操作を行います。
ボタンを1度押すと、総合的なメニューが表示されます。モニターの詳細設定が表示され、用途に合わせた設定が可能です。一般的なモニター同様の操作方法で、スムーズに操作できます。
プリセットにはシーン別でそれぞれの設定がされており、プロファイルを簡単に切り換えることができます。
入力の切り替え
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、ボタンを上にスライドすることで、入力の切り替えを簡単に行えます。
ワンタップでスムーズに切り替えが可能で、複数のデバイスを接続している状態でもストレスなく使用できます。また、OSDメニューの「入力」からも切り替えが可能です。
焼き付き防止機能
「Pixio PX277 OLEDMAX」には、ディスプレイの焼き付きを防ぐ、焼き付き防止機能が搭載されています。
焼き付き防止機能にはスクリーンセーバー、スクリーンケア、ディープスクリーンケアが含まれており、ディスプレイの保護に役立ちます。必要に応じてお好みの設定をすることで、ディスプレイのメンテナンスをより気軽に行えます。
クロスヘア設定
「Pixio PX277 OLEDMAX」にはモニター内臓のクロスヘアが搭載されています。
「ゲーミング設定」の「ゲームアシスト」にある「クロスヘア」から選択可能で、レッドとグリーンの計6種類から選べます。
「Pixio PX277 OLEDMAX」の使用感
作業|有機ELの鮮明な色
「Pixio PX277 OLEDMAX」を動画や画像編集、デザインなどの作業では非常に快適に使用できました。特にデザイン作業では、細かい色の違いにも対応し、こだわり抜いた作品作りが可能で、完成した際の達成感が非常に高いです。これは有機ELの特有の強みと言えます。
動画や画像編集では、繊細な色が映し出されることで、普段気にならない細部までが目に入り、より個性的な表現が可能です。
色を重視しない、テキスト入力などの場面では明るさを暗くし白を弱くすることで目への負担を軽減し、長時間の作業をより快適に行えました。
3840×2160pの高解像度に設定すると、標準ズーム(100%表示)でテキストが細かくなることがありますが、ズームの調整次第で読みやすくなります。
ゲーム|詳細な部分まで見える
「Pixio PX277 OLEDMAX」をゲームで使用した場合、高解像度でクリエイターが拘った細かなディテールまで鮮明に映し出します。
ソロで行うストリーゲームではその世界観に没入でき、美しさを感じることができます。特にキャラクターなどの毛や、オブジェクトの傷や劣化具合まで多くの情報を伝えてくれます。
FPSゲームでは、残像が少ないくっきりとしたシャープな映りで、キャラクターの動きをしっかりととらえれます。このような高性能な残像処理を備えることで、FPSゲームではユーザーのパフォーマンスを最大限発揮するサポートすることはもちろん、ゲーミングモニターとして一切の抜かりがない、最適な環境を提供します。
一方で、FPSゲームにおいては、トッププロ選手を含めたユーザーの多くが24インチのゲーミングモニターを使用しており、それと比較すると「Pixio PX277 OLEDMAX」は27インチと一回り程大きいです。私個人としては、ミリ単位の繊細な操作を必要とするFPSなどのゲームタイトルでは、24インチモニターが目でモニター全体を抑えるのにも、パフォーマンスを発揮するのに最適であると感じています。
映像・映画鑑賞 | 綺麗な彩表現
「Pixio PX277 OLEDMAX」を映像や映画鑑賞で使用すると、その微細でありながら豊かな色彩表現から、まるですぐ目の前にいるかのように感じさせる、存在感を際立たせてくれます。
特に黒を基調とする暗いナイトシーンでは、これまでに感じられなかった数多くの黒色で、より一層映像に見入ってしまいます。
このモニターで3日間映像や映画を鑑賞したものであれば、他のパネルでは満足できなくなるほどの、圧倒的な綺麗さと感動を伝えてくれます。
懸念点 | 長時間の連続使用での焼き付き
「Pixio PX277 OLEDMAX」を含めた有機ELディスプレイの懸念点として、焼き付きが上げられます。
焼き付きとは、長時間映し出していた映像や画像が薄っすらと残り、消えない現象のことを指します。焼き付きが起こることで、常にその輪郭や色合いが映り続け、モニターに映し出される物を十分満足して見ることができません。
焼き付きが起こる原因は、有機ELの特性上それぞれの画素が自己発光しており、長時間発光し続けることで負荷がかかり、バランスが崩れ正しい色を表示できなくなります。
「Pixio PX277 OLEDMAX」のマニュアルでも注意事項として記載されている通り、ゲームをプレイする際に固定されたUIなどは、長時間のプレイで焼き付きの原因となることがあります。3~4時間程度であれば問題ないですが、トイレや休憩の際にスクリーンケアを行うことで、約10分程度で焼き付き軽減処理を行ってくれます。
今回は約3カ月間使用し、作業やゲームなどで5時間以上使用する場合は、数時間に一度トイレ休憩の合間にスクリーンケアを行いましたが、焼き付きによるパネルの異常は見当たりませんでした。
欠点 | 焼き付きの警告表示
「Pixio PX277 OLEDMAX」には、焼き付きを警告するポップアップが、約4時間の連続使用後に表示されます。
また、こちらの警告は「キャンセル」を選択しない場合、スクリーンケア機能が実行され、約10分程度モニターを使用することができません。
つまり、ユーザーがゲームなどをプレイ中にこの警告が表示されると、キーボードやマウスから手を放してモニターボタンを操作する必要があるため、プレ
この警告表示は現段階ではオフにする手段がなく、製造元のテクニカルサポートで改善可能か確認を行っています。
「Pixio PX277 OLEDMAX」の良い点と改善点
良い点
- 有機ELの圧倒的な色彩表現
- 240Hzの滑らかな映像
- 応答速度0.03ms(GTG)で残像処理にも優れている
- WQHDで細部まで映し出す
- 豊富な接続方法で幅広く活躍
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、非常に繊細な色彩表現を提供しながら、残像処理に優れている有機ELが高い評価となります。
映像鑑賞、グラフィックデザイン、ゲームなど様々なシーンに最適化されたモニターとなっています。これまでは映りが良く高いリフレッシュレートを誇るFAST IPSを推奨していましたが、一部のユーザーはちょっとした残像処理を懸念していたことも耳にします。
有機ELは残像処理に優れ、鮮明な画質を映し出す、FAST IPSの弱点を改善させた上位互換のような存在とも言えます。
「次のゲーミングモニターは有機ELの時代」と言えるほどの卓越した性能を持っています。
改善点
- 焼き付き防止を警告するポップアップが非表示できない
「Pixio PX277 OLEDMAX」の改善点は、焼き付き防止を警告するポップアップです。
ゲームのプレイ中に、焼き付き防止を警告するポップアップが表示されると、キャンセルを押さなければスクリーンケア機能が実行されるため、一度キーボードやマウスから手を離さなければいけません。これは、白熱するオンライン対戦のゲームタイトルの場合、一時停止ができないため、ゲーミングモニターとして大きな欠点です。Pixioではこの問題の改善を検討しているとのことです。この問題が解決されることで、購入を検討している多くのユーザーに強くオススメできます。
また、希望を言うのであれば24インチの有機ELモニターも試したいと感じます。
Pixioでは現状販売の予定はないですが、24インチのモデルも検討しているとのことで、多くのユーザーがPixioに注目を集め、次世代モニターとして非常に期待しています。
まとめ
「Pixio PX277 OLEDMAX」は、有機ELの幅広い色彩表現で他にはない綺麗な映りでありながら、240Hzの高いリフレッシュレートを誇り、0.03ms(GTG)の応答速度を実現している、残像処理にも優れた、最高峰の性能を備えたゲーミングモニターとなっています。137.3% sRGBカバー率を持ち、WQHDの高解像度で映し出せることで、プロのグラフィックデザイナーが現場で活用できる程、どんな角度からも常に正しい色を映し出してくれます。また、KVMスイッチ機能など豊富な機能や接続方法があることからも、このモニター1台でデザイン、ゲーム、映画鑑賞まで、全てのシチュエーションに対応し、最高峰の環境を提供します。
有機ELの綺麗な映りで240Hzまで対応している、トップクラスの性能を誇る新世代のゲーミングモニター「Pixio PX277 OLEDMAX」、気になる方はぜひ一度使用してみてください。
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
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