今回は以前から注目されている、「Darmoshark」のコストパフォーマンス抜群なゲーミングマウス、「Darmoshark M3」を紹介します。
- 形状は左右対称で、Finalmouse Air58のクローン
- 58gの軽量で、スムーズな操作性
- どんな持ち方でも手にフィットし、快適に使用できる
- 2.4GHzの無線接続と、有線接続の柔らかいパラコードケーブルが付属
- 6,000円台でコストパフォーマンス抜群
目次
「Darmoshark」とは?
2008年に中国の深センで設立されたゲーミングデバイスメーカー「MOTOSPEED」の、ハイブランド Darmoshark。創業が2001年という20年以上の歴史を持ち、PCデバイスと関わりがある熟練の技術者らが、ゲーミングデバイスの製造を行っています。日本市場への進出前から、日本の多くのユーザーから注目を集めており、2023年には国内正規代理店として「HARUHI」ハルヒ電冷が、「Darmoshark Japan」の運営を開始しました。
「Darmoshark M3」の特徴
本体重量 | 58g | 形状 | 左右対称 |
動作時間 | 最大83時間 | 接続方式 | 無線(有線対応) |
スイッチ | TTC 60mm | センサー | PixArt PAW3395 |
同封物
- マウス
- USBレシーバー
- アダプタ:USB Type-C to USB Type-A
- ケーブル:USB Type-C to USB Type-A
- 交換用マウスソール
- 取扱説明書
形状と大きさ | 左右対称
「Darmoshark M3」の形状は、左右対称の右利き専用となっています。また、Finalmouse Air58(Ultralight Pro)のクローン形状となっています。
ゲーミングマウスとしては若干縦に長い大きいサイズで、手のサイズが日本人の男性平均以上のユーザーであれば快適に使用できます。
特に「Darmoshark M3」のメインボタンの形状は特徴的です。マウスの中央を中心に大きくカーブしており、両サイドは緩やかな形状です。そのため、自然と指がメインボタンの中心に乗り、指先に力が入れやすく感じます。
超軽量設計 | 58g
「Darmoshark M3」の重量は、公式の詳細情報では58g±5gとなっており、実測では、マウスソールを含めると59gでした。Finalmouse Air58も58gのため、重量も意識した完全なクローンマウスです。
軽量設計からなのか、メインクリック部分は軽く、薄くて柔らかいです。通常の使用では問題ないですが、硬く鋭い部分にぶつけた際などの、耐久性に若干の心配を感じました。
スイッチ | しっかりとした押し心地
メインボタン
「Darmoshark M3」のメインボタンには、TTC 60mmを搭載しています。しっかりとしたクリック感を感じられることが特徴です。高い耐久性と優れた品質で、素早いクリックでも正確に認識してくれます。
サイドボタン
「Darmoshark M3」のサイドボタンは、約1.5mm程飛び出しており、約4mmの縦幅です。しっかりとしたクリック感がありながらも、サイドボタンの下が斜めになっているため、軽い力で瞬時に押すことができます。
サイドボタン下の中央には、約17mm程の掴む・持つスペースが十分にあるため、誤動作でサイドボタンを押してしまう心配はありません。
ホイール | ラバー上でグリップ力が強い
回し心地
「Darmoshark M3」のホイールは、TTC golden wheelを搭載しており、ラバー(ゴム)素材でYのような模様が施されています。
回し心地は、軽い力で素早く回すことができ、程よいノッチ感があることから、1つ1つのスクロールもしやすく感じ、正確な入力が可能でした。
ホイールクリック
「Darmoshark M3」のホイールクリックは、軽い押し心地でしっかりとしたクリック感があります。適度な硬さがあるため、誤動作で押してしまうような心配は感じません。
しかし、メインボタンのような反発力がないため、素早い連打には不向きに感じました。
センサー | 高性能センサー
「Darmoshark M3」のセンサーは、PixArt社のPAW3395を搭載しています。繊細な動作でも、ズレのない正確なトラッキングが可能です。
センサーの位置は、中央よりも若干リア(後ろ)寄りになっています。そのため手首でのマウス操作に若干の違和感を感じるかもしれません。
専用ソフトドライバーを活用することで、センサーの様々な詳細設定を行うことが可能です。DPIは最高2600まで、詳細なDPI数値に設定できます。また、初期設定では500HzやMotion Syncなどが一部機能が有効になっているため、必要に応じて調整を行う必要があります。
MouseTester (1000Hz)
Motion Sync 有効
Motion Sync 無効
無線接続
「Darmoshark M3」にはBluetooth、 2.4GHz、有線接続の3種類の接続方式があります。国内向けモデルは、技適認証(工事設計認証)を受けており、技適マークが付いて安心して使用することができます。
基本的には遅延が少ない2.4GHzを使用します。マウス本体に収納されているUSBレシーバーを差し込むことで利用できます。
バッテリーは500mAhで、満充電時の最大連続動作は83時間です。
実際の使用では遅延や誤動作など、動作に問題はありませんでした。
ケーブル | 柔らかく扱いやすい
「Darmoshark M3」は、USB Type-Cを採用しており、付属のケーブル(USB Type-C to USB Type-A)は、柔らかいパラコードケーブルになっています。
開封直後は少し癖がありますが、反対側に曲げて使い続けていくうちに、癖は徐々に消えていきます。
これほど柔らかいパラコードケーブルであれば、有線接続でもストレスなく利用できます。
マウスソール | PTFEで爽快な滑り
「Darmoshark M3」には、両端4ヶ所にマウスソールがあります。滑りを重視したPTFEのマウスソールで、快適な滑りが可能です。また、十分なエッジ加工が施されており、マウスパッドの引っ掛かりを軽減してくれます。
マウスソールからは、価格から想像できない強い拘りを感じました。
1年保証 | 充実したアフターサービス
「Darmoshark M3」の価格から、保証などのアフターサービスも心配となりますが、1年の国内サポート保証があります。開封直後に初期不良品や故障で、安物買いの銭失いはせず、適切な保証対応を受けることができます。
実際発送で問題が生じたものの、メールで丁寧に状況を説明してくださり、商品の現状をすぐに確認でき早期解決することができました。
商品だけでなく充実したサービスもあり、安心して商品を使用することができます。
ソフトの使い方
「Darmoshark M3」は、専用ソフトドライバーを使用することで、詳細設定を行うことができます。
マウスボタン設定
「Darmoshark M3」のマウスボタン設定を行えます。
UI表示で分かりやすく、左右クリック、ホイールボタン、サイドボタン前後の計5つのマウスボタンの動作を割り振ることができます。
また、設定プロファイルの入出力が可能で、操作設定を保存することも可能です。
ポインターの設定 | 要設定
「Darmoshark M3」のDPIやポーリングレートの設定を行えます。
DPIは100~2600の範囲まで、DPIシフト数は最大5つまで、お好みの数値で設定できます。
ポーリングレートは125/500/1000Hzまで設定可能です。初期設定では500Hzとなっているため、1000Hzに設定することで、より精度が高いトラッキングが可能となります。
マクロ設定
「Darmoshark M3」のマクロ設定を行えます。
マクロ設定とは、指定した動作を自動操作として可能とすることが可能です。遅延やループ機能など、詳細なマクロ設定が可能です。
マウスの設定
「Darmoshark M3」のマウスの性能設定を行えます。
リフトオブディスタンス
リフトオブディスタンスとは、マウスを接地面(マウスパッドやデスク)から浮かせた際に、センサーが反応する距離のことです。
センサーパフォーマンス | 必須設定
- リップル制御 : 操作上でのカクツキを修正し、ズレを抑える機能です。
- Motion Sync : ポーリングイベントとセンサーデータを同期し、約1msの入力遅延と引き換えに、より精度の高いデータ転送(マウス操作)が可能となる機能です。
- 直線の補正 : 直線的な操作で発生する、ミリ単位のズレを修正してくれる機能です。
「Darmoshark M3」の初期設定では、「リップル制御」と「Motion Sync」が有効となっています。これらの機能は、多くのユーザーがオフにしており、思い通りの正確なトラッキングをする上で、大きな妨げとなるためオフにすることをオススメします。
スクロールの方向設定
- 順方向:下にスクロール→下へ
- 逆方向:下にスクロール→上へ
初期設定では順方向となっており、スクロールの反転が可能となります。
デバウンスタイム
デバウンスとは、クリック入力がデータとして入るまでの遅延です。速ければ速いほどクリック入力を速くできますが、チャタリングなど意図しないダブルクリックの原因となる事があります。
ゲームで使う面では、多くのゲーミングマウス同様に2~4msをオススメします。
Windowsのシステム設定 | 注意
Windowsのシステムのマウス設定を調整できます。
基本的には数値を調整せず、そのままにすることをオススメします。Windowsそのものの、全体的なポインター感度が変更されてしまうため、一部ゲームでも感度が変更されてしまいます。
「Darmoshark M3」のソフト上で調整するのではなく、Windowsのコントロールパネルから詳細設定を行いましょう。
システム設定
「Darmoshark M3」のドライバーのシステム設定を行えます。
ドライバーの言語設定や初期化など、詳細な設定や情報を確認できます。
持ち方 | 実際に使用して
「Darmoshark M3」のサイズ感や持ち方をレビューするに当たり、手の大きさは下記に記載されている、日本人の男性平均の大きさとします。
手の大きさ | 手長 | 手幅 | 手囲 |
---|---|---|---|
男性平均 | 183mm | 83mm | 202mm |
女性平均 | 169mm | 74mm | 179mm |
引用:河内まき子、2012:AIST日本人の手の寸法データ。
かぶせ持ち
「Darmoshark M3」のかぶせ持ちは、快適に使用できます。
左右のメインボタンと両サイドのへこみで、優れたフィット感を得られます。左右対称のマウスであるものの、少し大きめのサイズということもあり、指の置き場に困らず持て、指先に力を入れやすく感じました。
しかし、エルゴノミクスデザインのような、手を脱力した状態で持てるマウスに比べると、快適性が若干損なわれているようにも感じます。
手のサイズが小さいユーザーは、手の平に十分なフィット感を得られず、指先に力が入れにくいかもしれません。
つかみ持ち
「Darmoshark M3」のつかみ持ちは、どの持ち方よりも快適に使用できます。
リア(後ろ)の程よい膨らみが、手首付近の手のひらにフィットし、手のひらだけでも十分なホールド力があります。また、指の立て方によって指先のグリップ力を調整することで、優れた操作性を得られます。メインボタンの凹みにより、クリックは非常にしやすく感じました。
つかみ持ちの際は、センサーが親指の後ろ側にあります。
手のサイズが小さいユーザーは、指先に疲れを感じやすく、しっかりとしたホールド力を得るには厳しいように感じました。
つまみ持ち
「Darmoshark M3」のつまみ持ちは、快適に使用できます。
両サイドがへこんでいる形状から、指先に力を入れやすいため、指先で行う前後の微調整もストレスなく行えます。メインボタンの凹みから、指先で安定したポジションを得られます。
しかし、他のつまみ持ちに適したマウスに比べると、親指と小指で持った際の安定性や力の入れやすさに欠けるため、つまみ持ちでベストなマウスということではないです。
また、手のサイズが小さいユーザーは、ホールドするのにも指全体にストレスがかかり、メインボタンに力を入れにくくなるように感じました。
「Darmoshark M3」の内部構造 | 分解
マウスの分解はメーカーの保証対象外となるため、自己責任で行ってください。
固定ネジ
「Darmoshark M3」はネジでしっかりと固定されています。4つのマウスソールの後ろにネジがあります。
内部は、マザーボードで4つ、サイドボタンで2つのネジで固定されています。
内部のスペースは十分に確保されており、今後発売される「Darmoshark M3」のミニバージョンのマウスでも内部のパーツ類には問題なさそうです。
マザーボード
1つ1つのパーツが丁寧に付けられており、シンプルな構造となっています。ホイール部分もズレる心配なく、しっかりと固定されています。
「Darmoshark M3」と「G-PRO Superlight」| 徹底比較
今回は、使用率が非常に高いLogicoolの「G-PRO Superlight(G PRO Wireless)」と、「Darmoshark M3」を徹底比較して解説します。
サイズ感
「Darmoshark M3」のサイズは、「G-PRO Superlight(G PRO Wireless)」に比べると、一回り大きいサイズとなります。「G-PRO Superlight」で小さいと感じるユーザーや、メインボタンのスペースに物足りなさを感じる方は、快適に使用できると感じます。
全体的な性能
Darmoshark M3 | G-PRO Superlight | |
本体重量 | 58g | 63g |
センサー | PixArt PAW3395 | HERO 25K |
動作時間 | 最大83時間 | 最大70時間 |
「Darmoshark M3」と「G-PRO Superlight」の、スイッチやセンサーは違うものの、ユーザーの使用感や好みによって異なると感じます。
クリック音は「Darmoshark M3」の方が若干大きく、クリック感も強いです。
重量は「G-PRO Superlight」が63gと、「Darmoshark M3」の方が5g程軽量です。
どちらもハイエンドのゲーミングマウスで、性能には大きな差がないため、最終的な選択は、形状や使いやすさなどユーザーの好みとなります。
「Darmoshark M3」の良い点と改善点
良い点
- 癖のないFinalmouse Air58のクローン形状
- それぞれ拘ったパーツ性能
- 専用ソフトドライバーの操作性が良い
- 6,000円台
「Darmoshark M3」は、非常に高いコストパフォーマンスが最大の特徴です。価格からは想像もできない高性能なパーツを搭載しており、細部まで拘った優れた品質です。また、専用ソフトドライバーは直感的な操作で、初めてのユーザーでも扱いやすいです。
Finalmouse Air58のクローン形状で、手に馴染みやすい操作性であることから、今後も高く評価されるマウスになると感じます。
改善点
- センサーが若干リア(後ろ)寄り
「Darmoshark M3」を考慮すると、パーツ性能に対する改善点があっても驚かないかもしれませんが、性能面については一切不満を感じませんでした。しかし、個人的にセンサーが若干リア(後ろ)寄りにあることが気になりました。
まとめ
「Darmoshark M3」は、少し大きめな左右対称の形状で、手のサイズが日本人男性の平均以上のユーザーであれば、どの持ち方でも快適に使用できると感じました。特につかみ持ちは、それぞれの指に力が入れやすく感じ、快適に操作することができました。また、6,000円台のゲーミングマウスとは考えられない程の高い性能と軽量設計で、コストパフォーマンスは抜群です。専用ソフトドライバーで、マウスの詳細な設定を直感的に行え、自分好みの操作性を得る事ができます。
Finalmouse Air58のクローン形状で、様々な持ち方で快適に使用できるコストパフォーマンス抜群な「Darmoshark M3」、気になる方は是非一度使用してみてください。
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
コメント