今回は発売開始から1分で完売した、人気ゲーミングマウス「Pulsar X2H Mini」を紹介します。
- 左右対称の形状でフロント(前部)が低く、リア(後部)が高い
- 縦幅のサイズが少し小さく、重量が52gの軽量設計
- ポーリングレート4,000Hz対応の高性能
- 有線接続の快適性を重視したパラコードケーブル
- 「つかみ持ち」や「つまみ持ち」に最適
目次
「Pulsar」とは?
優れたデバイスをより高いコストパフォーマンスで提供することを目的に、2020年に設立されたesportsギアブランドの「Pulsar Gaming Gear」。創業者及び創業メンバーは、10年以上ゲーミングデバイス業界に身を置き、高い技術を持っているエキスパートです。どの製品も高性能で画期的なデザインを施しており、高品質でお手頃な価格で、誰もが手に取りやすく満足できる製品となっています。そのため、世界中の多くのユーザーに愛され、現在は世界大会でトッププロ選手が使用するほど、高い信頼と支持を得ている、注目すべきブランドの1つとなっています。
「Pulsar X2H Mini」の特徴
本体重量 | 52g(+- 1g) | 形状 | 左右対称 |
動作時間 | 100時間 | 接続方式 | 無線(有線対応) |
スイッチ | 光学式スイッチ | センサー | PAW3395 |
同封物
- マウス
- USBレシーバー
- アダプタ:USB Type-C to USB Type-A
- ケーブル:USB Type-C to USB Type-A
- 取扱説明書
形状と大きさ | 左右対称
「Pulsar X2H Mini」の形状は、左右対称の右利き専用となっています。
膨らみのトップがリア(後部)寄りで、フロント(前部)になるにつれて低い形状が特徴的です。
そのような特徴からは、ZOWIE ZA13を連想させます。発売前にはZOWIE ZA13のクローンとされていましたが、実際比較するとそのサイズからも違いが分かります。
リアの横幅は、大きすぎず小さすぎない、程よい膨らみで手の平の接地面が多く取れ、ホールド力を向上させてくれます。
ゲーミングマウスとしては、若干小さいながらも手のサイズが日本人の男性平均のユーザーであれば快適に使用することができます。
表面のコーティング | 優れたグリップ力
「Pulsar X2H Mini」の表面には、コーティングが施されています。
このコーティングにより、マッド感がある表面で、指のグリップ力を向上させ、より指先に力を入れやすくします。指先や手の平に汗が付いた状態でも、しっかりとしたグリップ力を得ることができます。
しかし、このようなコーティングは、グリップテープのような非常に強いグリップ力ではないため、ユーザーによってはグリップテープが必要となります。
軽量設計 | 52g
「Pulsar X2H Mini」の重量は、公式の詳細情報では52gとなっている、軽量設計です。実測では、マウスソールを含めて53gでした。
全体的なバランスも優れており、重さに関しては一切の不満を感じさせません。
スイッチ | 軽くて柔らかい押し心地
メインボタン
「Pulsar X2H Mini」のメインボタンは、光学式スイッチを搭載しています。従来のゲーミングマウスの多くには機械式スイッチが搭載されており、物理的な接点が触れることにより入力を認識していましたが、意図しないダブルクリックの問題を抱えていました。こうしたユーザーの意と反して行われる問題は、0.1秒の判断を争うFPSゲームに置いて勝敗を分けるトリガーとなりかねます。
光学式スイッチは、物理的な接点ではなく光の入力によって、より高速かつ正確な入力を検知することが可能です。これにより、意図しないダブルクリックを最小限に抑えることができます。
軽い押し心地で、スイッチの柔らかさをも感じ、程よい反発力があります。
また、中央が若干凹んでいることで、自然と指がメインクリックの中央に吸い寄せられます。
とっさの判断でも瞬時に押して対応することができながらも、誤操作が起きにくいバランスが取れているように感じます。
サイドボタン
「Pulsar X2H Mini」のサイドボタンには、Huanoブラックシェルホワイトポイント搭載しています。約1.5~2mm程飛び出ており、約4~4.5mmの縦幅です。軽い押し心地で、カチカチとした高い音で素早く入力できます。
サイドボタン下の中央には、約15mm程度の掴む・持つスペースがあり、男性平均の親指程であれば持つことができます。
ボタンのサイズは若干細めのため、誤動作でサイドボタンを押してしまう心配はありません。
ホイール | 軽い力で回る
回し心地
「Pulsar X2H Mini」のホイールには、Pulsarの自社製エンコーダーを搭載しています。
従来のエンコーダーは、エラーや品質の安定性など製造・販売メーカーの思い通りにいかない不満点などがあり、構造から見直した自社製エンコーダーが開発されました。
ホイール表面はラバー素材で指に吸い付き、軽い回し心地で僅かなノッチ感があり、1つ1つの詳細のスクロールでは指先に意識が必要なものの、大雑把なスクロールアップやスクロールダウンは快適に行えます。
ノッチ感があるため、大きくマウスを振った際の誤動作の心配はありません。
ホイールクリック
「Pulsar X2H Mini」のホイールクリックは、スイッチのカチカチとした感触が指先に伝わり、軽い押し心地で癖がありません。
単発的なクリックに優れており、反発が弱いため連打を多用するようなシーンでは、非常に不向きに感じました。
センサー | 4KHz対応で高性能
「Pulsar X2H Mini」のセンサーには、PixArt社のPAW3395を搭載しています。繊細なマウス操作でも、ズレが極力少ない高い精度のトラッキングが可能です。
センサーの位置は、センター(中央)寄りになっており、幅広いユーザーが快適に使用できる位置だと思います。
専用ソフトドライバーを使用することで、センサーの様々な詳細設定を行うことが可能です。DPIは最高26,000DPIまで、ポーリングレートは別売りの「Pulsar 4K Wireless Dongle」を使用することで最大4,000Hzまで設定できます。
「Pulsar X2H Mini」のポーリングレートが、4,000Hz対応であることは特徴の1つとも言えます。ポーリングレートが高くなることで、より正確で繊細な位置の情報を取得可能となります。しかし、データの情報量が多い分、パソコンに負荷が掛かります。パソコンの性能によっては、1,000Hzに比べるとゲームプレイ中のフレームレート(FPS)が落ちるなどと言ったデメリットがあります。
無線接続 | 低遅延
「Pulsar X2H Mini」には、2.4Ghz帯の無線接続(1ms)と有線接続の2種類の接続方式があります。
バッテリーの連続動作時間は最大100時間です。4,000Hzなど高度な処理が必要とされる場合は、連続動作時間が10時間以上減少すると考えられます。
バッテリー残量は、専用ソフトドライバー上で確認することができます。また、バッテリー残量が僅かになると、側面のLEDライトが赤く点滅します。
付属のレシーバーの裏にはグリップテープが付いており、滑りにくくなっています。
ケーブル | 有線でも快適に
「Pulsar X2H Mini」は、USB Type-Cを採用しており、付属のケーブル(USB Type-C to USB Type-A)は、柔らかいパラコードケーブルになっています。
ケーブルのコネクター部分は、ケーブルが斜め上の方に向くようになっています。この構造により、激しいマウス操作でもケーブルが操作を邪魔をすることなく、マウスパッドとケーブルが触れることで発生する摩擦を大幅に軽減され、プレイの快適性が向上します。マウスバンジーを使用することで、更にこの効果を実感することができます。
ケーブルの先端には「Pulsar」と印字するなど、ゲーミングデバイスブランドとしての拘りも感じます。
マウスソール | PTFEで爽快な滑り
「Pulsar X2H Mini」には、センサー部分に1つ、上下2ヶ所にマウスソールがあります。厚さは約 0.6mm, 素材にはPTFEを100%使用しており、引っ掛かりのない滑りの快適性を重視しています。
エッジ加工は、Corepadなどの交換用マウスソールと比較すると、厚みの関係もありカーブの処理が浅く感じます。実際使用すると特に引っ掛かりなど感じないため、他社マウスソールにこだわりがある方は、マウスソールの交換をオススメします。
2年保証 | 長く充実したアフターサービス
「Pulsar X2H Mini」には、Pulsar公式サイトや正規代理店/販売店から購入することで、2年間の保証サービスを受けることができます。開封直後の初期不良はもちろん、万が一の故障でも保証対象内の内容であれば、適切な保証対応を受けることができます。
多くのメーカーの保証期間は長くて1年間ですが、2年の保証期間はPulsarの自社製品への自信の表れとも言えます。
コストパフォーマンスが高いだけではなく、購入した後の長く充実したサービスがしっかりと完備されており、ユーザーが安心して使用することができます。
「Pulsar 4K Wireless Dongle」との接続方法
「Pulsar X2H Mini」は、別売りの「Pulsar 4K Wireless Dongle」を購入することで、4,000Hzのポーリングレートで使用できます。
ソフトドライバーをインストール
「Pulsar 4K Wireless Dongle」を利用するには、専用ソフトドライバーをインストールします。
接続方法
- 「Pulsar 4K Wireless Dongle」を接続し、「Pulsar Wireless Dongle Pairing Tool」を起動します。
- 「Pair」をクリックし、「Pulsar X2H Mini」の右クリック、左クリック、ホイールクリックの3つを長押しします。
- 「Pulsar X2H Mini」の左側面のLEDライトが黄色に点滅し「Pair Success」と表示されたら成功です。
ソフトの使い方 | 詳細設定
「Pulsar X2H Mini」は、専用ソフトドライバーを使用することで、詳細設定を行うことができます。
ボタン割当
ボタンの設定
「Pulsar X2H Mini」の各ボタン設定は、「ボタン割当」で行えます。
UI表示で分かりやすく、左右クリック、ホイールボタン、サイドボタン前後の計5つのマウスボタンの動作を割り振ることができます。
また、設定プロファイルの入出力で操作設定を保存したり、出荷状態に戻すことが可能です。
Motion Sync
Motion Syncとは、ポーリングイベントとセンサーデータを同期し、約1msの入力遅延と引き換えに、より精度の高いデータ転送(マウス操作)が可能となる機能です。
「Pulsar X2H Mini」のMotion Syncは、「ボタン割当」の下にあるスイッチでオンとオフの切り替えができます。
デバウンスの設定
デバウンスとは、クリック入力がデータとして入るまでの遅延です。速ければ速いほどクリック入力を速くできますが、チャタリングなど意図しないダブルクリックの原因となる事があります。
「Pulsar X2H Mini」のデバウンスの設定は、「ボタン割当」の下にある「デバウンス」で行えます。
ゲームで使うには、多くのゲーミングマウス同様に2~4msをオススメします。
パフォーマンス
「Pulsar X2H Mini」の性能面の設定は、「パフォーマンス」で行えます。
DPI設定
「Pulsar X2H Mini」のDPIは50~26,000の範囲まで、DPIシフト数は最大4つまでお好みの数値で設定できます。
また、DPIによってLEDライトの色を変更できます。
ポーリングレート設定
「Pulsar 4K Wireless Dongle」と接続することで、最大4,000(4K)Hzまで選択できます。ポーリングレートが高い程、より精度が高いトラッキングが可能となります。
リフトオブディスタンスの設定
LOD(リフトオブディスタンス)とは、マウスを接地面(マウスパッドやデスク)から浮かせた際に、センサーが反応する距離のことです。
「Pulsar X2H Mini」のLODは、1mmと2mmの2つから選択できます。
また、リップル制御や直線の補正機能をオンにすることができます。
リップル制御とは、 操作上でのカクツキを修正し、ズレを抑える機能です。
補正機能とは、直線的な操作で発生する、ミリ単位のズレを修正してくれる機能です。
ゲームをプレイするにあたり、「リップル制御」と「直線の補正」の機能は必要ありません。
Windowsシステム設定
Windowsシステムに関わるマウスの詳細な設定を行えます。
ここは基本的には数値を調整せず、そのままにすることをオススメします。Windowsそのものの全体的なポインター感度が変更されてしまうため、一部ゲームでも感度が変わってしまいます。こちらで調整するよりも、Windowsのコントロールパネルから詳細設定を行いましょう。
マクロ設定
「Pulsar X2H Mini」のマクロ設定を行えます。
それぞれのマクロはリストとして管理でき、必要に応じてキーに設定できます。
持ち方 | 実際に使用して
「Pulsar X2H Mini」のサイズ感や持ち方をレビューするに当たり、手の大きさは下記に記載されている、日本人の男性平均の大きさとします。
手の大きさ | 手長 | 手幅 | 手囲 |
---|---|---|---|
男性平均 | 183mm | 83mm | 202mm |
女性平均 | 169mm | 74mm | 179mm |
引用:河内まき子、2012:AIST日本人の手の寸法データ。
かぶせ持ち
「Pulsar X2H Mini」のかぶせ持ちは、あまり相性が良くないと感じます。
上から被せるように持った際に、リアの膨らみと中央のくぼみの関係で、小指が軽く浮いてしまいます。
膨らみとくぼみの幅が大きいマウス特有で、指の位置を調整して持つこともできますが、よりかぶせ持ちに適したマウスがあるので、このマウスである必要性をあまり感じません。
つかみ持ち
「Pulsar X2H Mini」のつまみ持ちは、非常に快適に使用できます。
リア(後ろ側)の膨らみで、手首付近の手のひら全体にフィットし、マウスを浮かせられるほどの、優れたホールド力があります。また、中央の凹みは、手のひらと合わせることでホールド力がお幅に向上し、マウスの重心のズレをないに等しいほど、最小限に抑え込みます。
リアの背が高いことで、指を立てやすく、メインボタンを押す快適な位置に調整しやすいです。
手のサイズが小さいユーザーは、小指の位置次第で快適に使用できると感じました。
つまみ持ち
「Pulsar X2H Mini」のつまみ持ちは、非常に快適に使用できます。
つまみ持ちは、それぞれの指先を中心にマウスを支えるため、指先の接地面の快適性が重要となります。
中央が緩やかに凹んでいることで、親指と小指をしっかりと側面にフィットし、リア(後ろ側)の緩やかな膨らみで自然と指が中央に引き寄せられ、重心を非常に捉えやすいです。また、フロント(前側)には薬指を置くスペースが十分にあります。そのため、指の位置や角度を幅広く調整でき、大雑把に指を立てるつまみ持ちなど、優れた操作性があります。
センター寄りのつまみ持ちでも快適に使用することができます。
手のサイズが小さいユーザーは、フロント寄りで持つなど位置を調整することで、快適に持つことができます。
「Pulsar X2H Mini」と「G-PRO Superlight 2」| 徹底比較
サイズ感と形状
「Pulsar X2H Mini」と「G-PRO Superlight 2(G PRO Wireless)」のサイズを比べると、「Pulsar X2H Mini」の方が縦幅がやや小さめのサイズとなっており、フロント(前)やリア(後ろ)の膨らみや高さなどの形状に違いがあります。また、「Pulsar X2H Mini」は「G-PRO Superlight 2(G PRO Wireless)」とリアの両サイドの膨らみを比べると、「Pulsar X2H Mini」の膨らみが目立ちます。
「G-PRO Superlight 2(G PRO Wireless)」をかぶせ持ちで使用するユーザーなどは、「Pulsar X2H Mini」は小さいと感じますが、それ以外のつかみやつまみ持ちのユーザーは快適に使用できると感じます。
全体的な性能
Pulsar X2H Mini | G-PRO Superlight 2 | |
本体重量 | 52g | 60g |
センサー | PixArt PAW3395 | HERO 2 |
最大ポーリングレート | 4,000Hz | 2,000Hz |
「Pulsar X2H Mini」と「G-PRO Superlight 2(G PRO Wireless)」は、異なった性能のスイッチとセンサーを搭載しています。特にセンサーでは、最大ポーリングレートが「Pulsar X2H Mini」では4Khzに対し、「G-PRO Superlight 2(G PRO Wireless)」は2Khzです。
理論的にはポーリングレートが高ければ高い程、精度が高いマウスを動かした際の情報を送れますが、冒頭でもお伝えした通り、その性能を最大限感じるには高いスペックのPCやモニターが必要となるため、ユーザーの使用環境で適したHzに調整する必要があります。
そのためセンサーの性能で決めるのではなく、形状はもちろん、メインボタンの押し心地、マウスホイールの回し心地、サイドボタンのサイズなどが最終的な選択として重要となると思います。
「Pulsar X2H Mini」の良い点と改善点
良い点
- フロントが高く、膨らみのトップがリア寄りの形状
- ポーリングレート4,000Hz対応で高性能
- 光学式スイッチ搭載で軽い押し心地
- メインクリックなど細部までの拘り
- 専用ソフトドライバーの操作性が優れている
「Pulsar X2H Mini」は、高さの膨らみのトップがリア寄りで、フロントになるにつれて低く、リアの横幅は程よい膨らみで、癖を極力抑えた形状です。表面素材やメインクリックの細部まで拘った、プレイヤーのパフォーマンスを最大限引き出すためへの強い拘りを感じます。
特にポーリングレート4,000Hzに対応したことにより、より精度が高い操作を可能とし、内部の性能面に関しても文句なしと言ったところです。
また、専用ドライバーはシンプルなUIにより、直観的な操作で誰でも簡単に詳細な設定を行えます。
形状と縦幅が少し小さめのサイズ感から、「つかみ持ち」と「つまみ持ち」のユーザーが快適に使用できる、非常にオススメしやすいゲーミングマウスと言えます。
改善点
- 初期不良が若干目立つ
X(旧 : Twitter)ではクリック部分の不具合などが目立つようにも感じ、私自身このレビュー記事を出すほんの12時間前に突然クリックの引っ掛かりを感じるようになり、保証対応をお願いしました。利用ユーザーが多いことを考慮すると、ギリギリ許容範囲内の品質のようにも感じ、Pulsarの優れたサポートを実感しているため、その辺りの不安要素はあまり感じません。
まとめ
「Pulsar X2H Mini」は、高さの膨らみのトップがリア寄りで、フロントになるにつれて低く、リアの横幅は程よい膨らみで、「つかみ持ち」や「つまみ持ち」で快適に使用できるハイエンドゲーミングマウスです。メインクリック、ホイール、センサーなど細部まで拘ることで快適な操作性を得て、多くのユーザーが価格以上に満足できると感じました。また、現在多くの家電量販店で展示されており、ユーザーは実際のサイズを試してから購入できることも、魅力の一つです。
左右対称の形状の中でも、高さの膨らみのトップがリア(後ろ)寄りで癖が少ない、高性能なワイヤレスゲーミングマウス「Pulsar X2H Mini」、興味がある方はぜひ一度使用してみてください。
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
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