ゲーミングキーボードはここ数年で大きな進化を遂げ、様々な企業がそれに力を入れています。今回は、APEX Legendsの人気プロプレイヤー、iiTzTimmy選手が監修を手掛け、話題のラピッドトリガー機能を搭載した、「Higround Performance Base 65」を紹介します。
- Apex Legendsの人気プロプレイヤー、iiTzTimmy 選手が監修
- 磁気式スイッチでラピッドトリガー機能搭載
- 軽くて心地が良い打鍵感と打鍵音
- 重量感と強いゴム足でズレにくい
- 反射された綺麗なLEDのバックライト
目次
「Higround」とは?
2020年にロサンゼルスを拠点に設立されたゲーミングデバイスブランド Higround。「呪術廻戦」や「ドラゴンボール」などと言った、世界的に人気のあるアニメやゲームなどとコラボを手掛けるメーカー。2021年では、プロeスポーツチーム「100 Thieves」に買収され、毎年Performanceシリーズとして、プロゲーマー向けのゲーミングデバイスを発表しています。どのゲーミングデバイスもプロ選手のヒアリングによって拘りぬいた製品で、世界中の多くのユーザーを虜にします。
「Higround Performance Base 65」の特徴
スイッチ | 磁気式 | サイズ | 65% |
アクチュエーションポイント | 0.1~4.0mm | 配列 | 英語 |
動作圧 | 30~50g | キーキャップ | PBT樹脂 |
同封物
- キーボード
- ケーブル : USB Type-C to USB Type-A
- キーキャッププラー
- スイッチプラー
- シール
- 簡易取扱説明書
人気プロプレイヤー iiTzTimmy選手が監修
「Higround Performance Base 65」の開発には、プロesportsチーム、100 Thieves所属の人気Apex Legendsのプロプレイヤー、iiTzTimmy選手が監修しており、ALGS Year 3チャンピオンシップでも使用されています。iiTzTimmy選手自らその性能を紹介し、満足の行く製品に仕上げたとのことです。
サイズ | 65%サイズ
「Higround Performance Base 65」は、英語配列の65%サイズです。
ケースも含め全体的にコンパクトなキーボードで、場所を取りません。
英語配列は、通常の日本語配列に比べ、半角が変換無く、エンターキーのサイズなどが若干異なります。不要なキーが排除されスペースキーが長いため、ゲームでの使用には最適です。
磁気式スイッチ | 変更可能なアクチュエーションポイント
「Higround Performance Base 65」は、磁気式スイッチを搭載しています。
磁気式スイッチの最大の特徴は、アクチュエーションポイント(接点)を変更できることです。3つのプリセットや、マニュアルで0.1から4.0mmの21段階まで、幅広い数値をキーごとに設定できます。ざっくり言うとキーの敏感さを調整できます。
また、動作圧は30~50gとなり、軽い押し心地が特徴です。
Rapid Trigger | 反応速度
「Higround Performance Base 65」はラピッドトリガーを搭載しています。
このラピッドトリガー機能は、キャラクターを停止させる際に、指をキーから離して無活動状態にするのに最適です。
通常のスイッチは、キーを離して一定のラインに到達することでキーがリセットされ、無活動状態になり、再入力可能となります。
磁気式スイッチは他にはない、ラピッドトリガー機能を持っています。まず、キーを離すとすぐにリセットされ、無活動状態になります。この状態で再入力が可能で、再度指定した数値までキーを押し込むと、入力が完了します。
VALORANTやCounter-Strike 2など、キャラクターの動きを止めて射撃するようなゲームタイトルに向いています。
内部設計 | 打鍵感への拘り
「Higround Performance Base 65」は、内部設計に拘ることで、優れた静音性と打鍵感を提供してくれます。
アルミニウム製のプレートとPCBの間にEVAフォーム(エバフォーム)を、ケース底部にはシリコンを採用することで、不快な金属音を抑え込み振動による揺れを減少させてくれます。
また、アルミニウム製のプレートは、RGBバックライトが反射して、キーボード全体をゲーミングデバイスらしく華やかに演出します。
接続方式 | USB-C
※画像がぼやけています。
「Higround Performance Base 65」は、USB Type-Cの接続方式を採用しています。
接続部分には十分なスペースがあり、幅広いタイプのケーブルに対応できます。
また、付属のパラコードケーブルは硬く柔らかいとは言い難く、激しく動かくようなことは想定されていません。
PBTキーキャップ
「Higround Performance Base 65」は、PBT樹脂を使用したキーキャップを搭載しています。
PBT樹脂は、耐摩耗性や機械的性質に優れた高い耐久性が特徴です。また、表面は光沢感がありソフトな指触りで、ユーザーの指をサポートしてくれます。
ゴム足 | ズレを抑える
「Higround Performance Base 65」は、底面の両端4ヵ所にゴム製の滑り止めを使用しています。
本体は重厚感もあり、腕やマウスをぶつけた程度ではズレることはありません。強い力を加えてずらそうとすると、強い抵抗を感じ引きずられます。ここまで滑り止めのグリップ力が強ければ、キーを押してズレるなどの心配は一切ありません。
外見・デザイン
・化粧箱
「Higround Performance Base 65」の化粧箱は、シンプルでありながらHigroundのイメージを感じます。
・外見
正面
「Higround Performance Base 65」の正面は、全体的に柔らかい色で、キーキャップのデザインはHigroundらしさがあります。
横
裏面
「Higround Performance Base 65」の裏面は、両端に4つのゴム足とモデルナンバーなどが記載されています。
キーキャップ
「Higround Performance Base 65」のキーキャップは厚さ約1.8mmです。
「Higround Performance Base 65」の設定方法
基本操作
「Higround Performance Base 65」の基本操作は以下の通りです。
機能 | ショートカットキー |
Windowsキーロック | FN + Win |
insert キー | FN + O |
Print Screen キー | FN + P |
Home | FN + PgUp |
End | FN +pgDn |
F1~F12 ロック | FN + 左 Ctrl |
LEDの明るさを上げる | FN + ↑ |
LEDの明るさを下げる | FN + ↓ |
LEDの点灯速度を下げる | FN + ← |
LEDの点灯速度を上げる | FN + → |
照明効果の設定
「Higround Performance Base 65」のバックライトによる照明効果は、「Fn」+ 「Tab」で16種類から選べます。
段階 | 照明効果 |
1 | Rightwave |
2 | Breathe |
3 | Radiance |
4 | Hitaoe |
5 | Rader |
6 | Crossline |
7 | Zen |
8 | Laser |
9 | Crosswave |
10 | Spectrum |
11 | Explosion |
12 | Silvasurfa |
13 | Higround |
14 | Tripple |
15 | BreatheRGB |
16 | Solid |
「Fn」+「C」で、カラーを白、赤、緑、青、黄、紫、シアンに切り替えることができます。
キー設定
アクチュエーションポイントのプロファイル
感度 | LED点滅 (2回) | |
プロファイル1 (中) | 1.6mm | 紫 |
プロファイル2 (スロー) | 4.0mm | 黄 |
プロファイル3 (高速) | 0.4mm | 緑 |
「Higround Performance Base 65」にはプリセットラピッドトリガーとして、既に設定されている3つのプロファイルから選択できます。
設定する際は、「FN」+「Space」を3秒以上長押しをし、LEDが点滅するカラーでプロファイルを判断します。
アクチュエーションポイントを手動設定
段階 | 感度 |
1 | 0.1mm |
2 | 0.2mm |
3 | 0.4mm |
4 | 0.6mm |
5 | 0.8mm |
6 | 1.0mm |
7 | 1.2mm |
8 | 1.4mm |
9 | 1.6mm |
10 | 1.8mm |
11 | 2.0mm |
12 | 2.2mm |
13 | 2.4mm |
14 | 2.6mm |
15 | 2.8mm |
16 | 3.0mm |
17 | 3.2mm |
18 | 3.4mm |
19 | 3.6mm |
20 | 3.8mm |
21 | 4.0mm |
「Higround Performance Base 65」のアクチュエーションポイントは0.1~4.0mmの21段階を、手動で設定できます。
設定する際は、「FN」+「Enter」を押し、感度を上げる(数値を小さくする)には「PgUp」を押し、感度を下げる(数値を大きくする)には「PgDn」を押します。最後に「FN」を押し、設定を終了します。
アクチュエーションポイントの数値が小さく、感度が高くなるにつれバックライトが明るくなります。
キーの調整を行う際は、ライティングをある程度明るくすることをオススメします。
出荷状態に戻す
「Higround Performance Base 65」を出荷状態に戻すには、「FN」+「ESC」を5秒間長押しします。設定で混乱した際は、一度状況をリセットするために出荷状態に戻すことをおすすめします。
ファームウェアアップデート方法
「Higround Performance Base 65」は、ファームウェアアップデートで不具合などによる機能の改善が可能です。既に最新のファームウェアアップデートが公開されており、ダウンロード可能です。
実際に使用して
磁気式スイッチの性能
「Higround Performance Base 65」の最大の魅力は、磁気式スイッチを使用したラピッドトリガー機能です。
私は主に逆キー入力をしていますので、指をキーから離すスタイルに比べて、その性能を最大限感じにくいです。しかし、通常のCHERRY MX製の赤軸や銀軸に比べ、1つのキーで微調整が簡単に行え、キーの反応速度に驚かされました。この磁気式スイッチの反応速度は他にはなく、実感して貰う方が良いと思います。
打鍵感
「Higround Performance Base 65」の打鍵感は柔らかく、タイピングしている際には指の心地よさを感じることができます。
動作圧が30~50gのため、指を軽く添えて少し力を入れれば下に沈み込み始めます。
キーを押した際のぐらつきも、少なく抑えられているように感じます。
打鍵音
「Higround Performance Base 65」の打鍵音は非常に心地が良いです。「さすがはHiground」と言ったところでしょうか、キーボードが楽器のように音を奏でます。
底打ちした際の不快な金属音は、最小限に抑えられておりアルミニウム製のプレートと言われなければ分からないほどです。しかし、強く押した際に下のキーは上のキーに比べて音が高く、特に左下の「Ctrl」、「Win」、「Alt」キーの3つは鈍い音がします。これはこのキーボードだけではなく構造上の問題のため、それを考慮すると十分機能していると感じます。
スペースは、全体と比べ音が大きく低くて鈍い打鍵音のため、静音とは言い難いです。
内部構造は先ほどもお伝えした通り、隙間がない程にEVAフォーム(エバフォーム)やシリコンを入れているため、ユーザーによるカスタマイズで大きな調整を加える程ではない、素晴らしい打鍵音となっています。
キーキャップ
「Higround Performance Base 65」のキーキャップは、指が滑りやすく感じますが、これは私の指の「慣れ」の問題もあります。
PBT樹脂で若干のザラツキはあるものの、木製の板をある程度研磨したくらい滑ります。つまりは、指のグリップ力が十分に機能しにくいため滑りやすいです。
私はCORSAIRに付属している滑り止め加工が施されたキーキャップを愛用しているのですが、それに比べるとグリップ力のなさで使いにくいと感じ、直ぐに交換しました。
キーキャップを交換するか、グリップテープを付けることをオススメします。
遅延やアクチュエーションポイントの調整に関して
「Higround Performance Base 65」は、大手レビュワー、optimum氏のレビュー動画で他社製のキーボードよりも入力などによる遅延が大きいとの報告があります。
実際ラピッドトリガー機能を搭載している他社製のキーボードと比べた場合、「Higround Performance Base 65」のアクチュエーションポイントを0.1mmにしたものの、0.3mm程に感じました。手元にある他社製のキーボードと比較しても、同じ0.1mmでも差があるように感じます。
この遅延や原因に関しては、メーカーを通じて現在調査中です。結果のご報告まで時間は掛かりますが、分かり次第記載をさせていただきます。
「Higround Performance Base 65」と「Wooting 60HE」を比較して
性能
Wooting 60HE | Higround Performance Base 65 | |
サイズ | 60% | 65% |
アクチュエーションポイント | 0.1~4.0mm | 0.1~4.0mm |
動作圧 | 40~60cN | 30~50g |
価格 | $174.99 | $165.00 |
スペック表での性能は似ていますが、optimum氏のレビュー動画をベースに考えると、入力などによる遅延の差が大きいと感じます。プレイヤーのパフォーマンスを最大限発揮するのにも、より早く直感的な動きを可能とするWooting 60HEが、現段階では上回っています。「Higround Performance Base 65」は、今後のファームウェアアップデートによってその差が大きく縮まれば、共に良い勝負になります。
買うならどっち?
パフォーマンスを重視するのであれば間違いなくWooting 60HEです。
価格はWooting 60HEが$10程高いです。先ほどお伝えした通り、遅延差が倍以上あり、性能の差はその値段以上に感じます。
打鍵感や打鍵音はユーザーの好みによって分かれ、打鍵音に関してはEVAフォーム(エバフォーム)などの内部構造を調整することで、非常に近い物になります。
ただ「Higround」や「100 Thieves」と言うメーカーやチームが好みで、iiTzTimmy選手のファンであるユーザーは「Higround Performance Base 65」を購入しても、後悔せず満足できる製品に感じます。
良い点と改善点
良い点
- 心地よい打鍵感と打鍵音
- 65%でコンパクト
- しっかりとした重量でズレにくい
- 豊富な付属品
「Higround Performance Base 65」の最大の特徴は磁気式スイッチ、それに加えて打鍵感と打鍵音です。
磁気式スイッチはユーザーの扱いやすいアクチュエーションポイントの数値に設定でき、幅広いユーザーがもうワンステップ強くなれると感じます。特にキーから指を離してキャラクターの移動操作を行ているユーザーは、その効果を最大限実感できます。
また、打鍵感と打鍵音は癖になる程心地よく、タイピングしているだけでリラックスできるほどで、是非一度は体験して欲しいと感じました。
詳細な部分まで拘りクオリティーが高い、価格相応のキーボードになっています。
改善点
- キーキャップが滑りやすい
- 専用ソフトが無い
- ラピッドトリガーをオフにできない
- キーのONとOFFの感度を別々で変更できない
- 傾きの調整が不可
「Higround Performance Base 65」のキーキャップは指が滑りやすいです。
指先が少し濡れるとツルツルと滑り、グリップ力を失います。手や指先に汗をかきやすいユーザーは、キーキャップの交換やグリップテープの使用を検討する必要があると感じます。
また、理想とするアクチュエーションポイントに設定するには、キーを押した回数を数えなければならないため、直感的ではなく手間がかかると感じます。
ユーザーによっては、キーのON(入力)とOFF(無動作)の感度を別々で設定したり、キー別でラピッドトリガー機能をオフにしたいということもあり、それぞれの機能が実装されることで、より柔軟に対応しやすいキーボードになると感じます。
まとめ
「Higround Performance Base 65」は、磁気式スイッチを採用し、現在のトレンドであるラピッドトリガー機能を搭載したゲーミングキーボードです。特に打鍵感や打鍵音に強い拘りを感じ、軽い押し心地で気持ちの良い音を奏でてくれます。専用ソフトが不要で本体だけで設定を済ませることができますが、設定変更のショットカットキーに慣れるまでは時間が掛かりそうに感じました。実際に使用してみたところ、ラピッドトリガー機能が搭載されているため、キーを押した瞬間に入力が反映されることを実感しました。遅延やアクチュエーションポイントの問題などを抱えていますが、これらを改善することで、非常に優れたゲーミングキーボードとなり、より幅広いユーザーにオススメできると確信しています。
他にはないこだわり抜いた打鍵感と打鍵音を持つ、ラピッドトリガー機能搭載のゲーミングキーボード「Higround Performance Base 65」に興味がある方は、ぜひ一度使用してみてください。
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
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