今回は人気ゲーミングデバイスブランド、Endgame Gearから販売されている新シリーズとなるゲーミングマウス、「Endgame Gear OP1we」を紹介します。
- つかみ持ちに特化された新設計
- 左右対称の形状でフロント(前部)が低く、リア(後部)が高い形状
- 両幅が狭く小さいサイズ感
- 表面のコーティングで優れたグリップ力
- 「つかみ持ち」や「つまみ持ち」で快適
目次
「Endgame Gear」とは?
世界各国のゲーミングデバイスに情熱を注ぐユーザー達のアイディアを参考に、洗練されたゲーミングデバイスを開発するEndgame Gear。ドイツのベルリンで結成された小規模なチームから始まり、徐々に成長を遂げてきました。2019年に最初の製品である「XM1」は、世界中のユーザーから高い評価を受け、現在ではe-sportsのトッププロ選手も支持をする、人気ゲーミングデバイスメーカーとなっています。
「ENDGAME GEAR OP1we」の特徴
本体重量 | 58.5g | 形状 | 左右対称 |
動作時間 | 1週間程度 | 接続方式 | 無線(有線対応) |
スイッチ | 光学式スイッチ | センサー | PAW3370 |
同封物
- Endgame Gear OP1we
- センサー部分のマウスソール
- USBレシーバー
- アダプタ:USB Type-C to USB Type-A
- ケーブル:USB Type-C to USB Type-A
- 取扱説明書
形状と大きさ | 左右対称
「Endgame Gear OP1we」の形状は、左右対称の右利き専用となっています。
膨らみのトップがリア寄りで、フロント(前)になるにつれて低い形状が特徴的です。
リア(後ろ側)の横幅は、大きすぎず小さすぎない、程よい膨らみで手の平の接地面が多く取れ、ホールド力を向上させてくれます。
ゲーミングマウスとしては、若干小さいサイズながらも、手のサイズが日本人の男性平均のユーザーであれば快適に使用することができます。
その形状からは、以前紹介したpulsar X2H Miniを連想させられます。ZOWIE ZA13のような背が高い形状と比べると、低く平均的に感じます。
表面のコーディング | 優れたグリップ力
「Endgame Gear OP1we」の表面には、マットUVコーディングが施されています。
このコーディングにより、マット感がある表面で、滑りにくく指先が吸い付き、力を入れやすいです。また、指先や手の平に汗が付いた状態でも、しっかりとしたグリップ力を得ることができます。
軽量設計 | 58.5g
「Endgame Gear OP1we」の重量は、公式の詳細情報では58.5gとなっている軽量設計です。実測では、マウスソールを含めて58gでした。
また、軽量設計にも関わらず、表面の素材や質感からは耐久性に一切の心配を感じませんでした。激しいマウス操作でも、プレイ中に表面が破損するような心配はありません。
スイッチ | 柔らかい押し心地
メインボタン
「Endgame Gear OP1we」のメインボタンは、Kailh GO 光学式スイッチを搭載しています。従来のゲーミングマウスの多くには機械式スイッチが搭載されており、物理的な接点が触れることにより入力を認識していましたが、意図しないダブルクリックの問題を抱えていました。こうしたユーザーの意と反して行われる問題は、0.1秒の判断を争うFPSゲームに置いて勝敗を分けるトリガーとなりかねます。
光学式スイッチは、物理的な接点ではなく光の入力によって、より高速かつ正確な入力を検知することが可能です。これにより、意図しないダブルクリックを最小限に抑えることができます。
軽い押し心地で、スイッチの柔らかさをも感じ、程よい反発力があります。
サイドボタン
「Endgame Gear OP1we」のサイドボタンは、Kailh GM 2.0を搭載しています。約2mm程飛び出しており、約5mmの縦幅です。軽い押し心地のため、とっさの判断でも瞬時に入力できます。
サイドボタン下の中央には、約18mm程の掴む・持つスペースが十分にあるため、誤動作でサイドボタンを押してしまう心配はありません。
ホイール | 軽い力で回る
回し心地
回し心地は、軽い力で回すことができ、強いノッチ感があり、1つ1つの詳細なスクロールも快適に使用できます。また、ノッチ感が強いので誤動作の心配もありません。
ホイールクリック
「Endgame Gear OP1we」のサイドボタンは、Kailh GM 2.0を搭載しています。重くしっかりとした押し心地があります。押し込んだ際には、カチカチとした低いクリック音が鳴り、スイッチの感触が指全体に伝わります。
スイッチを入力するまでの重みがあるため、ホイールを回した際に押してしまう誤動作の心配は感じませんでしたが、連打を多用するようなシーンでは不向きに感じました。
センサー | 高性能センサー
「Endgame Gear OP1we」のセンサーはPixArt社のPAW3370を搭載しています。繊細なマウス操作でも、ズレのない正確なトラッキングが可能です。
センサーの位置は、センター(中央)寄りになっており、幅広いユーザーが快適に使用できる位置だと思います。
専用ソフトドライバーを使用することで、センサーの様々な詳細設定を行うことが可能です。DPIは最高19,000DPIまで、ポーリングレートは最大1,000Hzまでなど、詳細な数値を設定できます。
DPIの初期設定は、400/800/1,600/2,300の4段階を、本体裏にあるmodeボタンで変更可能です。
無線接続 | 低遅延
「Endgame Gear OP1we」には、2.4GHz帯の無線接続と有線接続の2種類の接続方式があります。国内向けモデルは、技適認証(工事設計認証)を受けており、技適マークが付いて安心して使用することができます。
バッテリーは335mAhで、公式の詳細情報では一週間程度のゲームプレイが可能とされています。また、バッテリーの残量は、左側面のLEDで確認することができます。
実際の使用では、遅延や誤動作など、動作に問題はありませんでした。
ケーブル | 柔らかく拘りあるコネクター
「Endgame Gear OP1we」は、USB Type-Cを採用しており、付属のケーブル(USB Type-C to USB Type-A)は、柔らかいパラコードケーブルになっています。
特にケーブルのコネクター部分は、ケーブルが上の方を向くように斜め上を向いています。ケーブルが上に向いていることにより、激しいマウス操作でもケーブルが邪魔をすることなく、マウスパッドとケーブルが触れることによる摩擦が大幅に軽減され、より快適にプレイできます。マウスバンジーを使用することで、更にこの効果を実感することができます。
ケーブルの構造からもENDGAME GEARの強い拘りを感じます。
マウスソール | PTFEで爽快な滑り
「Endgame Gear OP1we」には、上部に1つ、下部に3ヶ所にマウスソールがあります。厚さは約0.8mm、素材には滑りを重視したPTFEを約99.5%使用することで、摩擦が少ない快適な滑りが可能です。また、十分なエッジ加工が施されており、マウスパッドとの引っ掛かりを軽減してくれます。
また、センサー部分のマウスソールは付属されています。
スイッチのカスタマイズ
「Endgame Gear OP1we」はメインボタンのスイッチのカスタマイズが行えることも魅力の1つです。オプション品としてスイッチを交換することが可能で、メインボタンを押した際により硬さを感じることができます。
カスタマイズを考慮しているため、内部には裏面の2つのネジを外すことで簡単にアクセスできます。
交換スイッチキットは現在国内代理店での取り扱いはされていませんが、販売予定とのことです。
1年保証 | 充実したアフターサービス
「Endgame Gear OP1we」には、アーキサイト(ARCHISITE)やAmazonのアーキサイト@ダイレクトなど、Endgame Gearの国内代理店から購入することで、1年間の保証サービスを受けることができます。開封直後の初期不良はもちろん、万が一の故障でも保証対象内の内容であれば、適切な保証対応を受けることができます。
高い商品の品質だけではなく、充実したサービスもあり、「Endgame Gear OP1we」は安心して使用することができます。
ソフトの使い方
「Endgame Gear OP1we」は、専用ソフトドライバーを使用することで、詳細設定を行うことができます。
Key Settings | ボタンの設定
「Endgame Gear OP1we」のマウスのボタンの設定は、「Key Settings」で行えます。
UI表示で分かりやすく、左右クリック、ホイールボタン、サイドボタン前後、裏面のmodeの計6つのマウスボタンの動作を割り振ることができます。
また、設定プロファイルの入出力で操作設定を保存することや、出荷状態に戻すことも可能です。
Debounce | デバウンスの設定
「Endgame Gear OP1we」のデバウンスの設定は、「Key Settings」の下にある「Debounce」で行えます。
デバウンスとは、クリック入力がデータとして入るまでの遅延です。速ければ速いほどクリック入力を速くできますが、チャタリングなど意図しないダブルクリックの原因となる事があります。
ゲームで使うには、多くのゲーミングマウス同様に2~4msをオススメします。
CPI Settings | DPIの設定
「Endgame Gear OP1we」のDPIの設定は、歯車マークの右側をクリックした「CPI Settings」で行えます。
DPIは50~19,000の範囲まで、DPIシフト数は最大4つまで、50DPIの単位でお好みの数値に設定できます。
Polling Rate | ポーリングレートの設定
「Endgame Gear OP1we」のポーリングレートの設定は、歯車マークの右側をクリックした「Polling Rate」で行えます。
ポーリングレートは125/250/500/1,000Hzまで設定可能です。1,000Hzに設定することで、より精度が高いトラッキングが可能となります。
LOD | リフトオブディスタンスの設定
「Endgame Gear OP1we」のリフトオブディスタンスの設定は、歯車マークの右側をクリックした「LOD」で行えます。
リフトオブディスタンスとは、マウスを接地面(マウスパッドやデスク)から浮かせた際に、センサーが反応する距離のことです。
1mmか2mmの2つから選択できます。
Ripple Control(リップル制御)は、 操作上でのカクツキを修正し、ズレを抑える機能です。
Angle snapping(直線の補正機能)は、直線的な操作で発生する、ミリ単位のズレを修正してくれる機能です。
ゲームをプレイにするにあたり、「Ripple Control」と「Angle snapping」の機能は必要ありません。
持ち方 | 実際に使用して
「Endgame Gear OP1we」のサイズ感や持ち方をレビューするに当たり、手の大きさは下記に記載されている、日本人の男性平均の大きさとします。
手の大きさ | 手長 | 手幅 | 手囲 |
---|---|---|---|
男性平均 | 183mm | 83mm | 202mm |
女性平均 | 169mm | 74mm | 179mm |
引用:河内まき子、2012:AIST日本人の手の寸法データ。
かぶせ持ち
「Endgame Gear OP1we」のかぶせ持ちは、相性が良くないと感じます。
リア(後ろ側)の横幅が緩やかな膨らみになっており、小指と薬指のポジションが不安定になってしまい、全体を支えることが困難に感じます。無理にかぶせ持ちをすることも可能ですが、持つスペースを確保するために手の平が斜めになってしまい、本体の重心がズレてしまうなど、操作に違和感を感じます。
手のサイズが小さいユーザーも同様で、薬指の置き場に違和感を感じてしまうように感じました。
つかみ持ち
「Endgame Gear OP1we」のつかみ持ちは、非常に快適に使用できます。
リア(後ろ側)の横幅が若干膨らんでいることで、程よく手を広げることができ、手のひらだけでもマウスを浮かせられる程の十分なホールド力があります。フロントとセンター部分の両幅は狭く、フロントやリア寄りどちらの持ち方でも、親指と薬指に力を入れやすい指の快適なポジションを得る十分なスペースがあります。
手のサイズが小さいユーザーでも快適に使用できると感じました。
つまみ持ち
「Endgame Gear OP1we」のつまみ持ちは、非常に快適に使用できます。
つかみ持小さくまみ持ち、どちらが持ちやすいか比較しましたが、どちらも変わらず持ちやすかったです。
リア(後ろ側)の横幅が若干膨らんでいることで、薬指の腹に密着させることができ、親指と小指も加えて全体をしっかりとホールドすることができます。また、それぞれの指先に十分フィットしていることで、指先で行う前後の微調整も容易に行えます。
両幅が狭く、フロント寄りが低い形状のため、メインボタンのポジションやグリップ力を調整でき、指全体を立てる大雑把なつまみ持ちでも、優れた操作性がありました。
手のサイズが小さいユーザーでも、両幅が小ぶりなマウス寄りのところから、しっかりと指先に力を入れやすく快適に使用できると感じました。
「Endgame Gear OP1we」と「G-PRO Superlight 2」| 徹底比較
今回は、最も使用しているユーザーが多いとされるLogicoolのゲーミングマウス、「G-PRO Superlight 2」と「Endgame Gear OP1we」を比較します。「G-PRO Superlight 2」をベースに、少しでも「Endgame Gear OP1we」のサイズ感や性能のイメージの手助けになればと思います。
サイズ感と形状
「Endgame Gear OP1we」と「G-PRO Superlight 2(G-PRO Superlight, G-PRO Wireless)」のサイズを比べると、「Endgame Gear OP1we」は小さく、フロント(前)が低いという形状の違いがあります。
「G-PRO Superlight 2」のサイズが大きいと感じるユーザーであれば、「Endgame Gear OP1we」は良い選択筋となります。
更に言えば「G-PRO Superlight 2」のような左右対称の形状のマウスが好みで、つかみ持ちとつまみ持ちのユーザーであれば、一度は試して貰いたい程の適した形状になっています。
全体的な性能
Endgame Gear OP1we | G-PRO Superlight 2 | |
本体重量 | 58.5g | 60g |
センサー | PixArt PAW3370 | HERO 2 |
最大ポーリングレート | 1,000Hz | 2,000Hz |
「Endgame Gear OP1we」と「G-PRO Superlight 2」の全体的な性能を比較すると、センサーの違いが目立ちます。
「G-PRO Superlight 2」は、ポーリングレートが最大2,000Hzと2倍近く高いことで、より精度が高い操作が可能となります。
しかし、「Endgame Gear OP1we」のポーリングレートは1,000Hzであり、使用には全く不満はありません。センサーの性能差よりも、形状により持ちやすさ、メインボタンの押し心地、マウスホイールの回し心地、サイドボタンのサイズなど、ユーザーの手にあった優れた操作性が決め手となると思います。
「Endgame Gear OP1we」の良い点と改善点
良い点
- つかみ持ちに拘った形状
- オプション品としてスイッチのカスタマイズが可能
- 表面のコーティング
- 細部まで高品質の仕上がり
- 専用ソフトドライバーの操作性が良い
「Endgame Gear OP1we」は、つかみ持ちに特化した左右対称の形状が最大の特徴です。膨らみのトップがリア寄りで、フロント(前)になるにつれて低く、指先のポジションや手のひらとのフィット感を十分に考慮した形状となっています。表面のコーティング、サイドボタン、ケーブルの細部まで丁寧な仕上がりになっており、満足できる高品質のハイエンドゲーミングマウスです。
特にメインスイッチのカスタマイズが公式のオプション品として用意されているのは、拘るユーザーにとって非常に嬉しく感じます。
また、専用ソフトドライバーはシンプルなUI表示で直感的な操作ができ、初めてのユーザーでも扱いやすいです。
形状とサイズ感からは、つかみ持ちとつまみ持ちのユーザーが快適に使用できる、つかみ持ちとつまみ持ち専用のゲーミングマウスと言えます。
改善点
- クリック音の大きさ
- ホイールクリックが重い
「Endgame Gear OP1we」のメインボタンを押した際、「カチカチ」とした鈍ったスイッチ音が響きます。ゲーミングマウスとしては許容範囲ですが、静音性が高いマウスを好みとするユーザーには、音が気になると感じました。
ホイールクリックは重く、しっかりとしたクリック感があります。クリックが重い一方で、ホイールを回す際の誤動作は非常に少ないですが、連打などには適していないと感じました。
まとめ
「Endgame Gear OP1we」は、高さの膨らみのトップがリア(後ろ)寄りで、フロント(前)になるにつれて低く、リアは若干の膨らみで、「つかみ持ち」や「つまみ持ち」で快適に使用できる高性能なゲーミングマウスです。表面のコーティングやスイッチなど細部にまで拘り、文句の付けようがない優れた操作性が特徴です。他社製のゲーミングマウスと比較しても、価格以上の高いクオリティーで、幅広いユーザーが満足できます。「Endgame Gear OP1we」は「Pulsar X2H Mini」の形状に似ており、どちらも現在多くの家電量販店で展示されており、ユーザーは実際のサイズを試してから購入できることも、魅力の一つに感じます。
つかみ持ちに特化した設計で、細部まで抜かりない仕上がりの高性能なワイヤレスゲーミングマウス「Endgame Gear OP1we」、興味がある方はぜひ一度使用してみてください。
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
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